DIR EN GREY part1
左から Bass:Toshiya Guitar:DIe Voice:京 Drum:Shinya Guitar:薫
1997年に関西にて結成されたバンド。1996年に結成されたLa:Sadie'sのうち、ベースの妃以外で構成され長野からToshiyaを発掘し今に至る。
彼らのテーマとして常にあるのが、「痛み」であり「人間の弱さ、あさはかさ、エゴが原因で引き起こす現象により、人々が受ける様々な心の痛みを世に広める」という御旗のもと今日まで至る。
結成以降DIRは急速に勢力を拡大し、1998年ラストインディーズシングル、「I`ll」をひっさげ(オリコンシングルチャート七位)、インディーズバンドとしては史上初の武道館公演を成功させる。
1999年にはジャパニーズロックシーンの大御所、白鳥瞳もといYOSHIKI(X JAPAN)プロデュースのもと、「アクロの丘」「ゆらめき」「残」を手にメジャーシーンに進出。
なお残は2009年リリースされた「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」で大幅アップデートされた。
筆者の主観となるがこの三曲が収録された1stアルバム「GAUZE」が世間一般で言うv系のイメージに最も近い。この当時世間を賑わせていた、LUNA SEA、黒夢などの音楽性、ビジュアルのいいとこどり、悪く言えば没個性な側面もある。だが「Schweinの椅子」、「残‐ZAN-」にみられるハードコアな面であったり、「ゆらめき」のようなポップな楽曲、「raison detre」にあるダンスビートを前面に押し出した楽曲等、現在に通じる幅広い音楽性の片鱗がすでに見え隠れしている。
2rdアルバム「MACABRE」期に入ると世界観に主軸を置いた曲作り、ステージングへと舵を切り始める。メンバーの中でプログレに影響を受けた者が出始め、「GAUZE」のような一曲一曲が個性を放つ曲群ではなく、アルバム一枚で1つの物語となるような曲作りとなっている。「蛍火」や「MACABRE-揚羽ノ羽 三ノ夢ハ 二蛹 一-」といった一曲の中でも1つの演劇を見ているかのような気分になる曲が代表的である。